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ネスプレッソからコンポスタブル(堆肥化可能)なカプセルが誕生。サスティナビリティを促進する、消費者に与えられた新たな選択肢とは?
どれだけ朝の時間が忙しくとも、淹れたてのコーヒーを飲まずに一日は始められない、そんな人も多いはず。コロナ禍以降、自宅での時間をいかに有意義に過ごせるかが重要視されていく中で、食品大手のネスレが展開するカプセル式コーヒー抽出マシン「ネスプレッソ(Nespresso)」も順調に売り上げを伸ばした。ネスプレッソはネスレ最大のブランドの1つであり、2021年の売上高は約67億ドルで、最も収益性の高いブランドとなった。
ボタン一つで簡単に、誰が淹れても同じように "最高の1杯" が淹れらる事、加えてそのプレミアムなブランドイメージも支持され、家庭での使用に限らず空港やホテルのラウンジ、高級レストラン等でもネスプレッソが導入されているのを目にする事も多い。
そんなネスプレッソが2022年11月23日、コンポスタブル(堆肥化可能)な紙ベースのカプセルを発表。今までも世界中に展開するネスプレッソ店舗でのカプセル回収や自宅への出張回収サービスなど、独自のカプセル回収システムを提供しリサイクルに力を入れてきていたネスプレッソ。ここに新たに加わったコンポスタブルカプセルについて、その実力と消費者に与えられたサスティナブルな選択肢に注目してみたい。
アルミカプセルと変わらない "最高の一杯"
ネスプレッソのアルミ製カプセルは、コーヒーを酸化から保護し、輸送中、保管中、そして機械での高圧抽出中にコーヒーを保護し "最高の1杯" を淹れる為の様々な技術が投入されている。コーヒーを酸化から保護する為のバイオポリマーの裏地などもその一つだ。これらの機能を紙ベースの堆肥化可能な素材で実現するのに3年を費やしたという。
こうして誕生したこのコンポスタブルカプセルだが、全てのネスプレッソカプセルがこの新素材に置き換わるわけではないという。ネスプレッソの最高経営責任者(CEO)であるギヨーム・ル・カンフは「コンポスタブルカプセルはあくまで、リサイクル アルミニウムを使用したアルミニウムカプセルの提供を補完するもので、品質に妥協することなく、持続可能な選択肢を一つ増やすものである」と語っている。
リサイクルかコンポストか、消費者が選択する
ネスプレッソが高品質なコーヒーとプレミアムなブランドイメージを提供してきた一方、カプセルに使用されるアルミ素材がリサイクルに適した非常に優秀な素材ながら、その一部は消費者からリサイクルされずに廃棄、埋め立てごみとなっているという問題が指摘されていた。ネスプレッソでは全世界ユーザーのほぼ90%が便利にアクセスできるリサイクルのシステムを用意していると発表しているが、消費者の環境問題への意識が高まる中で、新たな持続可能な案を提示する事が必要だったのだろう。今回のコンポストカプセルの誕生により、アルミカプセルを購入しネスプレッソのリサイクルシステムを利用する事に加え、コンポスタブルカプセルを購入し自身で処分する(コンポストする)という選択肢が消費者に与えられた事になる。事業者単位だけでなく家庭においてもコンポストが浸透してきている現在において、ネスプレッソのリサイクルシステムを利用するよりも簡単な手段が与えられたと感じる人も一定数いるのではないだろうか。
このコンポスタブルカプセルについては、2023年春にフランスとイギリスで試験的に販売が開始され、1年以内にその他の欧州諸国でも販売が開始される予定だ。現時点では日本での販売予定は発表されていないが、近いうちに日本でも販売開始となる事が期待される。
参考までに、コンポストを行う事で得られる環境問題に対するメリットや、その現状について、また簡単に始める方法などについてはこちらの記事「実は環境負荷の大きい生ごみ焼却。手軽に始められる「LFCコンポスト」で生ごみ焼却ゼロを目指しながら、美味しい野菜を作りませんか?」を合わせて読んでみて欲しい。
■出典
ネスレ:https://nestle-nespresso.com/nespresso-unveils-new-range-home-compostable-coffee-capsules
ロイター通信:https://www.reuters.com/business/retail-consumer/nestles-nespresso-sell-paper-based-compostable-coffee-pods-2022-11-21/